働かなかった「国親思想」佐世保事件3
少年院は、刑罰機関では無い。
ここに結構誤解があるところではあるが、
少年院送致などを定めた少年法は、「国が親に代わって少年を育てる」
ということが、前文に書いてある。
これを「パレンス・パトリエ(国親思想)」という。
少年を以下のように規定している。
三 次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞(おそれ)のある少年
イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
ロ 正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。
ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。
ニ 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
すなわち、もっと早い段階で、少女を、少年院の専門的なカウンセリングを受けさせる機会があったわけである。
しかしながら、今回はそれも見送っている。
親としては抵抗があったところなのだろう。
全国の少年鑑別所では、相談の窓口を設けている。
佐世保事件は、親が育てられないのは明白であった。
ならば、それに代わって育てる機関を、もっと活用すべきだった。
(ちなみに、児童相談所では、殺人を犯しそうな子の対応は不可能であったであろう。 少年院に任せるべきであったと思う。)